2017年2月アーカイブ

aoi_mari.png蒼井真理

リーグ開幕6日前、チームは開幕前最後のオフ。日体大、町田ゼルビアとの練習試合を振り返り主観に満ちた選手評を連投

GK飯倉大樹。下位カテゴリとの試合で被決定機は多くないが、町田戦は序盤の被セットプレイからの決定機を2つ阻止。シーズンの課題はクロスキャッチ含めた安定感。GK使った最後方ビルドは現状「なんちゃって足下巧い系」判断精度と速度の向上を。切り返しプレスいなしても次のパスをミスれば無意味

CB中澤佑二。町田戦で見せた局面対人対応は百戦錬磨の業。細かなラインの上げ下げ「飛ばすパス」も意欲的。ライン押し上げた際の速攻対応も、松原健とミロシュそこそこスピードある2人が両脇を固め、それなりに対応できるか。狙われるのは間違いないが、日々是抗い。勇気もって押し上げて欲しい

CBミロシュ。相手の速攻を遅らせつつ絡み取る守備対応、周囲とのコミュニケーション、そして鉄板の型になりつつあるWHへのロングフィードに高い実効性。ただ対人もトップレベルでは未知数。攻守セットプレイでは少し不安定で要熟成。チームに馴染み適応しようとするパーソナリティは素晴らしい

右SB松原健。タイでの2試合は「マリノスの守備、中澤の右隣り」の対応に戸惑いあり存在感希薄も、徐々にフィットの兆し。日体大と町田戦では絶妙なタイミングで右ペナ角まで進出し決定機に絡む。本格的なフィット、本領発揮はこれから。球際の粘り強さ奪い切る力は課題か

左SB金井貢史。昨季後半からコンビネーション熟成一途の学が残留、下平の復帰が遅れた事もあってレギュラ当確。学の使い方、絡み方を熟知しチーム最大の武器左サイドのキーマン。外を回るだけでなく内に入って「右利きの左SB」の特徴発揮。消えない軽さはあるが、今は「らしさ」が前面に出ている

ボランチ喜田拓也。宮崎キャンプの負傷で少し出遅れたが、プリメイロ・ボランチの座を中町と激しく争う。背後を消しつつ寄せ奪う激しさ、天野純とのビルド連携に優位性。ミドルシュートの意欲も高い。課題は受ける出すの細かい精度、余裕もってボールを持てる展開でのキーパスのアイデアか

ボランチ中町公祐。昨季ずっと指摘し続けた「1つ2つ持ち過ぎる、ワンテンポ遅い」エリク横浜スタイル適応への課題に、意識高く取り組んでおりタッチ数が減った。その中で中央を通す縦パス、前線へのスルーパスを出せるのは今の喜田にない強み。セットプレイでのターゲットとしても変わらず秀逸

ボランチ天野純。天皇杯でのブレイクにも慢心なく心身充実。関与意欲高く攻守の「気づき」一歩目が早い。特に攻⇒守トランジションは秀逸。自陣からのミドルフィードやセットプレイの精度も向上の兆し。ほんの少し「往年の奥大介」に近づきつつある新たな背番号14への期待値は高い。もっともっと

トップ下のダビ・バブンスキ。評価の難しい選手。確かに巧い。タッチが柔らかくボールを隠すスキル、パスにも色気がある。しかし攻守の関与時間とトータルの実効性はそれ程高くない。CFに当確が出ない、コンビネーション熟成できない問題も大きいが、より決定機に絡む仕事を。守備はマジ頑張れ

――なまじ喜田、中町、天野純の3人が始動からここまで素晴らしく意欲的で実効性あるプレイを続けているだけに、その3人のうち誰か1人をベンチに置くことになるダビの起用には、どうしても目線が辛くなる。確かな結果と実効性を示して欲しい。変化を作り出せる、おもしろい選手なのは間違いない

右WHマルティノス。変態的な加速とトップスピード+ミロシュのロングフィードは鉄板の武器に。昨季からの大きな変化は守備に戻るスピード、自陣を埋める頑張り。タイで遠藤渓太が童貞卒業、学の残留でWHのレギュラ争いは一気にハイレベル化。「正しい競争原理がチームと個を強くする」良い見本

左WH齋藤学。日体大と町田の2試合はやや空回り感あり不発。でも学に期待するのは「J1レベルで警戒し固めてくる相手を更に上回り突き崩す」事であり、結果に導く事。開幕に合わせコンディションもテンションも作ってると思うので練習試合の内容には不安なし。信頼してるし、本気で期待してます

CF富樫敬真。結果を出し続けるワンショット・キラー。敬真は「ファーストタッチ、エリア近辺でのトラップ」が決まるか否かが全てみたいな選手(ゲルト・ミュラー的)だが、日体大と町田戦はダメな日だった。でも決めた、そこに価値がある。レギュラ奪うには「ダメな日」を減らしていくのも課題

CF伊藤翔。町田戦は左太腿裏の張りで出場回避。宮崎での練習試合、日体大戦では地味にゴールとアシストを重ねる。運動量が多い訳でないが、最前線でターゲットとなりパスを呼び込む、味方にスペースを作る「1トップらしい」仕事の安定感と戦術理解は随一。トータルでは最も計算できる頼もしい存在

CFウーゴ・ヴィエイラ。今季チームの成績を左右する最大の不確定要素。日体大戦では2ゴールあったものの運動量と身体のキレは「お話にならない」レベル。85%徒歩。13%軽いジョグ。残り2%のスプリントもキレなく、大学生との軽い接触で転倒。始動から1ヵ月まだこの状態かと、軽く絶望

CFウーゴ。町田戦の前日のチーム練習、簡単なロンド(輪オニ、タッチ限定ショートパス練習)でも他の選手と比べ反応速度が異次元。咄嗟に一歩が出ない、出しても足先だけで身体がついてこない。ファーストタッチの質、紅白戦ではクロスにヘッドで合わせるセンスも見せたが全然仕上がってない

CFウーゴ。加入決定前には「レッドスターと契約で拗れた」「横浜に行きたくないと言った」「そこから練習態度、試合のパフォーマンスもダダ下がり」「20ゴール決めたウーゴではなくなってしまった」「なだめすかして日本行き決定」との現地報道も。ああ、本人が望んだ移籍ではなかったのかと…

CFウーゴ。しかし町田戦では、日体大戦や前日練習とは見違えるほど攻守にスプリント。ウラ抜けや突破打開を狙い、PK獲得し、ポストや守備でも頑張りを見せた。まあ比較対象が「20点くらいの仕上がり」のウーゴで、まだキレも運動量も全然足りないが、「やる気と向上意欲」が見えたのは好材料

CFウーゴ。横からのボール(クロス)が多少ズレても頭や足で無理やり合わせ枠に飛ばすセンス、ポジション取りストライカ要素は確かにある。町田戦では巧みなフェイントで相手をかわしエリア侵入からフィニッシュのイメージも見えた(まだ身体がついてきてないが)片鱗は窺える。期待値ゼロではない

CFウーゴ。最大の武器であったハズの「ウラ抜けスピード、初速と加速」がどこまで戻るか。絞りキレを取り戻せるか。おそらく最大課題は「この移籍を受け入れる、マリノスでベストを尽くす」やる気の問題で、町田戦では向上が見られた。復活の鍵を握るのは来日したフィアンセ、その手料理か

CFウーゴ。なので現状のウーゴには過度な期待も失望もして欲しくない。大事なのは「この移籍を受け入れる、マリノスでベストを尽くす」なので、自宅に大きなポルトガル国旗がある人はスタジアムに持参し振って欲しいし、ポル語が堪能な人はファンサに行って直接ウーゴに愛と期待を伝えて欲しい

aoi_mari.png蒼井真理

『CFG提携の価値と東欧ルート、今オフ補強についての妄想に近い推測』および『CFGと日産がマリノスに求めているものは何か? その疑問に対する解』を連投する

比較的、予算規模に恵まれた複数クラブが今オフは強気の動きを見せた。鹿島、瓦斯、神戸、フラれる事が多かったが吹田や鳥栖も。浦和は地味ながらピンポイントにJで実績ある選手を加えた(何より近年流出が極端に少ない)

対するマリノスは新体制発表後ながら外国籍枠を3+2でフルに埋めた事などもあり「近年稀に見る積極補強、大成功」とのサポータからの評価もあるが、Jリーグで確固たる実績ある選手たちではなく、若い選手が多い。獲得に使った金額的にも「大型補強」ではない

日産自動車がマリノスへの資金投下の仕方を変えて「CFGと資本提携を伴うパートナシップを三者連携で締結、20%の株式を売却し提携しチーム運営にノウハウを取り入れる」と決めたのが2014年5月。2年半以上前の事

――振り返れば全然ハードランディングじゃない

改めて強調しておくべきは、この提携はマリノスとCFGの二者提携でなく「日産自動車を含めた三者提携」であり、この決定にはマリノスの実質的な親会社である日産自動車、カルロス・ゴーンの意向も強く働いているという事。背景を考えれば「むしろ日産自動車の意向が最も強い」提携であった事

…当時は特にCFG側のメリットが見えにくく「CFGと、またそれとの提携を望んだ日産自動車がマリノスに何を求め期待しているか」が見えなかった。「数年後にはチームカラーやエンブレムが変更になる事も受け入れないとダメなのかもな」そんな漠然とした不安も、皆無ではなかった

2015.12.31
嘉悦朗が社長を退任

2016.3.31
下條佳明チーム統括本部長が退任

2016.4.1
利重孝夫氏がエグゼクティブアドバイザ就任
アイザック・ドル氏がSD就任

2016.6.1
利重孝夫が取締役就任

2016.7.1
利重孝夫がチーム統括本部長就任

CFGとの提携合意から約2年が経った昨年の3月末から、フロント体制に大きな動きがあった。2010年から嘉悦社長の下で6シーズン統括本部長を務めた下條氏が退任。スポーティング・ダイレクタにアイザック・ドルが就任し、この時点ではドルが下條氏の仕事(編成の長)を引き継ぐ形になった

2ヶ月後の6月に利重氏がアドバイザから取締役に、その1ヵ月後にはチーム統括本部長に就任した。7月はちょうど「来季に向けた編成がスタートする」時期でもある。この「利重+アイザック体制」が既定路線だったのか、必要に迫られての変更だったのかは、全く情報なく不明

――SDという役職名からは総合的な決定権を持つGM(日本で言う強化部長、マリノスなら統括本部長…ただし背後に社長、その背後に親会社がいて決裁権を持つ事が多い)のような決定権を有さない「補強のための交渉人」の意味合いが感じられ「利重+アイザック体制」は既定路線だったと見るべきか…

…つーかクラブにとってこんな大きなフロント体制の変更がある中で情報があまりに無さ過ぎたんだよ。この半年以上、マリノスの番記者たちは何をやっていたのかと。なんで利重さんやドルのインタビュ記事が一本もあがってないんだよマジ仕事しろよ

アイザック・ドルのSD就任、利重さんの統括本部長就任の際に「不安と不可解」を覚えたのは2人の経歴に「プロクラブの編成経験が皆無」であった事

利重氏の経歴は超の付くエリート&エグゼクティブで出自にサッカー背景あり、トップビジネス&サッカー界での実務交渉経験は他の日本人で探すのがおそらく難しいレベル。ドルは日本、中東、フランス、母国ルーマニアでU-年代を中心に豊富な指導歴ある国際派。しかし2人とも「編成経験はゼロ」皆無

なので昨季の4〜7月頃は「社長も1年生だし、こりゃあ次のオフはどうなる事やら想像もつかんな」と、これまた漠然とした不安になると同時に「番記者どもマジ仕事しろよ…」の念が強くあったが、本当に情報が無さ過ぎて仕方ないのでそのうち考えるのをやめた(第二部完)

そしてシーズン終盤からオフにかけて、ただただ受け入れるのみ。いやーこの約3ヶ月、なかなか濃密だったねえ…

利重氏自身、昨季リーグ終了後の最初の契約更改交渉の後に「1回目の契約交渉で、私自身も初めてだった。今までいろいろな会社で人事面談をしてきたが、やはり似て非なるもの」と語っている

…実際、トップビジネスの世界では感情論を排しロジカルに交渉、議論、説得できても、サッカーの特に代理人を介さない直接交渉ではそういった「交渉の基礎ルール」を持たない選手側が感情論を持ち出し、どう形にしたらいいか分からない「愛」を要求してきたりと違った難しさが絶対的にある

「判断基準をハッキリさせないとマリノスへの愛がなくなってしまう。愛のないクラブは衰退する」中町公祐

「愛あるクラブにしてくれ、と伝えた」飯倉大樹

――全くの余談だがこの当時の利重さんに、加藤清正に「お前には情っていうもんがねぇのかよ!」「お前と飲みたいんだよぉおお!」とすがりつかれ鬱陶しそうに振りほどく石田三成(山本耕史)のイメージが重なってた

新体制発表では「マリノスタウンを離れ、本社機能と練習場の距離ができてしまいコミュニケーションが足りない部分もあった」と反省の弁と共に「今季は編成の長である私が責任をもって果たしていく」とも語った。チーム統括、編成の長としての経験不足が否めない部分も確かにあった

――ただ今になって「何故、利重氏だったのか」「何故ドルだったのか」を少し醒めた目線で考えると、思うところがある(ようやくこの連投の本題である。前フリが長いのは芸風だから諦めて、どうぞ)

※Facebookにマリノス公式が投稿した、練習風景(ロンド)の動画についての感想ツイート

※中央でパスをさばいているのが、バブンスキー(元バルセロナB)

















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